当科では、4K・3D外視鏡を積極的に導入し、頸部手術において世界的にも有数の症例数と経験を有しています。耳下腺・顎下腺をはじめとする唾液腺手術のみならず、甲状腺手術においても外視鏡を活用し、顔面神経や反回神経の温存、副甲状腺機能の温存といった重要な課題に対し、高精細な立体視野のもとで精緻な手術操作を実現しています。
外視鏡による手術は、従来の直視・顕微鏡手術とは異なり、術者・助手・看護師が同一の高解像度3D画像を共有しながら進行する点に大きな特徴があります。これにより、解剖学的理解の深化とチーム全体の手術精度の向上が期待されます。
さらに当科では、頸部手術にとどまらず、口蓋扁桃摘出術や喉頭微細手術など幅広い領域に外視鏡を応用しており、教育的価値の高さも大きな特長です。研修医・専攻医は、術野を術者と同じ視点でリアルタイムに共有できるだけでなく、記録された映像を通じて自身の手技を客観的に振り返ることが可能となり、従来にはない効率的な技術習得が期待されます。
加えて、外視鏡手術は今後、手術手技の客観的評価や、神経走行のAI予測といった新たな研究領域への展開も見据えられており、当科ではその可能性を積極的に探求しています。これらの取り組みを通じて、国内外への情報発信とともに、頭頸部外科領域における新たな標準の確立を目指しています。