ヒトにとって音を聞き取る「聴覚」は大切な感覚のひとつです。
私たちは言葉を聞いて、言葉を話し、コミュニケーションを取っています。「難聴」は会話によるコミュニケーションの障害をもたらし、現代では「難聴」が引き金となる“認知症”が大きな社会問題となっています。当科では難聴をはじめ、さまざまな耳症状で悩んでおられる方に寄り添い、適格な診断、そして手術を含む出来る限りの加療を提案させて頂いております。
手術について
当科では中耳炎に対する鼓室形成手術を多数行うとともに、内視鏡手術や難聴に対する人工内耳埋込術、外耳癌を含む側頭骨腫瘍の手術などを積極的に行っています。近年は慢性中耳炎に対する鼓膜再生療法を、内視鏡下に皮膚切開のない低侵襲な方法で行い、良好な術後成績が得られています。
当科は日本耳科学会・耳科手術認可研修施設です。また、手術を担当する日高准教授は1000例を越える耳科手術の経験を有し、日本耳科学会の代議員、耳科手術指導医制度の役員、ならびに小児滲出性中耳炎診療ガイドライン委員会・委員長を拝命しています。また、聴覚医学においても数多くの人工内耳手術の経験を有し、日本聴覚医学会の代議員・編集部会長を務めています。
外来診療について
当科では難聴やめまいに対してより専門性の高い特殊外来を設置しております。
・耳鳴難聴外来
耳鳴に対しては、主にTRT (耳鳴順応療法)を行っており、耳鳴の発生機序の理解を含めたカウンセリングや耳鳴生活指導、補聴器を用いる複合的な治療を行なっています。
難聴に対しては、典型的ではない難聴の原因検索や治療を行っています。
・めまい外来
一般外来では診断がつかないようなめまいに対し、画像検査、平衡機能検査を行い、診断と治療に取り組んでおります。
・中耳外来
主に耳科手術の術後外来となります。術後でなくても処置に技術と時間が必要となる方が対象となります。
・遺伝外来
遺伝子が原因である難聴を遺伝性難聴といいます。先天性難聴の約6割は遺伝子が原因とされており、遅発性難聴においても遺伝性難聴の可能性があります。遺伝性難聴の診断をつけるための遺伝学的検査や遺伝カウンセリングを行っております。当外来は臨床遺伝センターと協力して実施しており、難聴以外の遺伝性疾患も対象としております。
・補聴器外来
難聴の方に対し、補聴器購入に向けて専門スタッフが補聴器の適合を行っております。