内耳のアンチエイジング

免疫から加齢性難聴を予防する

免疫の老化に着目した加齢性難聴予防の研究

加齢性難聴は、耳鼻咽喉科診療において日常的に遭遇する疾患であり、本邦において75歳以上では半数近くが難聴であると言われています。しかし、加齢性難聴の予防法や治療法は確立しておりません。

当教室では、動物実験において免疫改変を行う(これを我々は「免疫若返り処置」と呼んでいます。)ことで加齢性難聴の進行が予防できることを報告してきました。

免疫の老化(免疫老化)に介入することで、加齢性難聴の進行予防を臨床応用できないかという視点から研究を行っています。

免疫と老化

免疫は感染防御だけでなく、炎症の制御や組織の恒常性維持にも関与しています。
加齢に伴い免疫の働きが変化すると、慢性的な炎症が起こりやすくなり、酸化ストレスが蓄積することで、さまざまな臓器の機能低下につながり、老化が進行することが知られています。この関係性を表現した“inflammaging”という造語があります(Franceschi C, et al. 2000)。ここに、酸化ストレスの関与を強調した“oxi-inflamm-aging”が後に提唱されました(De la Fuente M. 2008)。

我々の行ってきた免疫若返り処置はこのoxi-inflamm-agingの悪循環を止め、内耳の機能低下、すなわち加齢性難聴の進行が予防できたのではないかと考えております。

動物モデルを用いた研究内容

老化促進モデルマウスや、汎用されるマウスを用いて、若い免疫細胞を移植することで、加齢に伴う難聴の進行が予防できるかを検討しました。

その結果、免疫若返り処置を行った群は12か月齢にも関わらず、5か月齢と同等の聴力を示しました。蝸牛内のらせん神経節の萎縮も抑制され、5か月齢と同等の細胞密度でした。

今後の展望

様々な方法での免疫若返り処置で加齢性難聴の進行予防が明らかとなっています。臨床応用可能な免疫若返り方法を探求していきます。

また、全身の免疫を改変しているため、内耳以外の臓器においても加齢性疾患の進行が予防されている可能性があります。内耳にとどまらず、全身の加齢性疾患を視野に入れて検討していきたいと考えています。

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